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ニュース2019.01.12
レスリング吉田沙保里 引退会見で見せた強い意志と“次の夢”

 

臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人やトピックスをピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、引退を発表したレスリングの吉田沙保里選手を分析。

“霊長類最強女子”と言われたレスリング女子の吉田沙保里選手が現役を引退した。1月10日、都内のホテルで引退会見を行った吉田さんは、涙を見せることもなく、終始笑顔で明るく、歯切れよく爽やかだった。引退というより、第2の人生のスタートを切ったという印象が強く残った。

なぜ、そんな印象を強く持ったのか。まずは会場の華やかさだろう。浅田真央さんや宮里藍さんの引退会見の時のような、重々しさや堅苦しさがないのだ。壇上にセッティングされたテーブルの後ろの壁には、赤と黒でデザインされたガラスが美しく映え、両側にはラベンダー色のカーテンが揺れていた。卓球の愛ちゃんこと福原愛さんが、可愛い花柄の壁紙をバックに晴れやかに引退したことを思い出す。

さらに、会見場に現れた彼女を見て驚いた。マットの上で試合をしていた時とは大違い。とても“霊長類最強”と呼ばれていたとは思えないほど、綺麗なのだ。一つにまとめられたポニーテールの髪は柔らかく巻かれ、まつ毛はくるんと上向きにカールされている。お肌がすべすべに見えるナチュラルメイクはとても上品だし、マイクを握る指先のネイルだってキュートなのだ。時折テレビで見るCMの時のようで、メイクや髪型から次の人生への華やいだ気持ちが伝わってくる。

ファッションは黒と白のコーディネート。真央さんや宮里さんと同じ色の組み合わせだが、彼女たちの時とは印象が随分違う。黒のワンピースの上に羽織っているジャケットの白が、とても鮮やかに見えるのだ。見えている色のバランスだろうが、白と黒の対比効果により白が際立ち、一層白く見える。新しい始まりや未来を強くイメージさせているようだ。また、この白は、レフ板のように美しくなった彼女の顔を、さらにきれいに見せる効果もあったと思う。

「すべてをやり尽くし、引退を決断した」と話す吉田さんは、何度も頷きながら「ありがとうございました」と立ち上がって頭を下げた。引退までに「東京オリンピックに出たいなという気持ちがあった」と話し、首を傾げ、身体も少し傾け気味に揺らした。東京オリンピックを前に気持ちが揺れていたことが、その仕草から推測できる。

だが、彼女の中では、発言の通りやり尽くしたという気持ちの方が強かった。「伊調馨選手が東京オリンピックを目指すという発言を聞いて、心は動かされなかったのか」という質問を投げかけられても、記者の顔をまっすぐ見つめて頷くのみ。視線そらすことも、身体が揺れることもない。「自分は自分、人は人と教えられてきた」「やり尽くした、やり切った」と上を向くように言い切った。そして明るく、伊調選手を「すごいなと思った」と話したのだ。自分の気持ちにしっかりと区切りを付けたからこそのこの一言は、彼女が言うように、次の吉田沙保里に向って気持ちが切り替わっていることを感じさせる。

ところが、高速タックルを強みとしてきた彼女でも、次の夢はタックルのようにはいかないらしい。吉田さんは次の夢について、「女性としての幸せは、絶対につかみたい」と照れながら答えたのだが、この時ばかりは語尾や声のトーンが微妙に上がったり小さくなったりした。レスリングについて話している時とは随分と違い、「自信満々」とはいかないようだ。だが、そんな彼女のはにかむような表情も、女性らしいメイクが引き立てていた。そこにいたのは最強女子ではなく、夢に向かう1人の可愛い女性だった。

どの質問にもまっすぐ相手を見て、明るくしっかりと答えていた吉田さん。「レスリングとは」という質問には、晴れ晴れと輝くような表情で「人生の1つ」と答え、最後に母の幸代さんから花束の贈呈を受けると、2人揃ってにこやかに記念撮影に応じた。

「第2の人生は明るく、笑顔で元気に頑張っていきたい」と語ったように、明るく、笑顔で元気に、そして爽やか晴れやかに、吉田さんはこの日、その第一歩を踏み出した。

 

 

 

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